夏型過敏性肺炎の症状と治療方法について

風邪は治ったのに咳だけは止まらない…、そんな症状に悩まされている人は決して珍しくないはずです。そんな場合はもしかしたら、風邪ではなくて夏型過敏性肺炎かもしれません。
症状は、咳・痰・寒気・頭痛・発熱にだるさや息苦しさといった風邪と同じ症状が出るので区別が付きにくいものです。
夏になると風邪をひくことや、夏の終わり頃に高熱を出す、更に慢性化すると咳と共に微熱が続きます。
時期の目安は5~10月。夏風邪の咳が長引いて治らない、息苦しいという時にはこちらの病気を疑っても良いでしょう。
花粉症などアレルギーに悩まされている人はより疑いを持って下さい。年齢層は30~50代に多いとされますが、体質や環境でどの年齢層でも起こりうる症状です。
重症化すると呼吸困難も引き起こし、命取りになりかねない危険ものです。
夏型過敏性肺炎の原因はトリコスポロンというカビ
夏型過敏性肺炎の主な原因になるのはトリコスポロンというカビです。他にもペットや植物、塗料といった様々な要素に反応することで発症する病気です。
トリコスポロンが7割を占める事からまず、カビを例に挙げます。風呂場や台所、洗濯機などにある珍しくないカビですが、空調の中にも巣食っているものです。
梅雨時のジメジメ、そしてエアコンの使用で部屋の中のトリコスポロンの密度が更に増えることで引き起こされるアレルギー性の症状です。
エアコンの中は使わない季節になるとぱったりですから掃除が行き届かずカビのすみかになります。
条件が揃う梅雨頃の時期になると一気に増殖して沢山の胞子を出すために症状が辛いものになります。
なので、反応してしまう抗原から離れると症状は回復しますが、また密度が濃い場所に戻ると症状が出ます。
カビを徹底して掃除し、水回りは勿論布団や畳なども交換するといった大掛かりな掃除をするのが家での症状改善の為には欠かせません。
職業による場合は出来る限り原因の物質を体の中に入れない事が必要になります。
原因物質の大きさのものを通さないマスクを付けるのが最低限の対策でしょう。
長く続くと肺に起こった病変が元に戻らなくなり、そのまま症状が残り続けたり、進行したりします。
夏型過敏性肺炎の治療法
夏型過敏性肺炎の治療方法は、まず病原体となる自分が反応するアレルギー物質を入れないことが一つ。炎症を鎮めるためのステロイドの飲み薬や点滴が必要な場合があります。呼吸困難が出るほどになると、まずこちらが先になるでしょう。
カビは空気中をただよっていますし、布団や畳を掃除するにもホコリを立てずに、というわけにはいかないのでカビの除去も一苦労です。出来る限り早く気づくのも症状緩和の大事な要素です。
夏型過敏性肺炎の検査
夏型過敏性肺炎の検査ではレントゲン撮影と血液検査をします。炎症で一般的な症状は血液検査では白血球の数が増え、レントゲンには影が映ります。
ここは他にも職業や、生活状態も判断材料になります。気管支肺胞洗浄液など、一つだけではないので医師の判断指示で検査を受けるようにします。
予めアレルギーが有ることが分かっている場合は何に反応するかも伝えましょう。
夏型過敏性肺炎の予防方法 夏場は風通しを良く!

様々な家具を交換したり毎日家中を掃除するのは物理的にも不可能に近いものが有るのではないでしょうか。
もっともしておきたい対策は、換気を良くすることです。僅かな隙間でも風が廻るようにしておくとそれだけでも違います。
一箇所を全開にするのではなく、お風呂場、台所と言った具合に複数の箇所を少しずつでも開けておくといいでしょう。
症状を酷くしないためにもなるべく外気を取り込んで下さいね。
トリコスポロンは気温20~30度、湿度60~80%の間がもっとも活発であるため、梅雨時というのは症状が出やすくなります。
ただでさえ不快な天気に辛い症状が加わるだけでも大変なことです。
増加傾向にあるこの症状は誰が罹ってもおかしくないものです。夏場を快適に過ごす為だけでなく、肺を守る意味でも換気は大事にしたいですね。