生で海産物を食べる時は要注意!寄生虫アニサキス

アニサキスという名前を聞いたことがあるでしょうか?実際日常生活で、ポンポン行き交う単語では無いと思いますが、日本の食生活文化とは切っても切れないであろう寄生虫です。
その最も代表的な食習慣が刺し身を食べる習慣です。
つまり生魚を食べる、もしくは十分に加熱しないで感染した生き物を食べてしまうことが感染の原因です。
アニサキスの移動
アニサキスの成虫は主に、イルカとクジラの胃の中に潜んでいます。彼らが食事によって、排泄した時にアニサキスの卵が水中に放出され、その卵を食べたオキアミやエビなどの甲殻類に寄生して幼虫に成長します。
更に、そのオキアミたちが魚に食べられ、魚類の腹腔に始まり、筋肉の中に移動していきます。
そういった海産物を生で食べてしまうことで人の体に移動して、胃や腸に寄生することでアニサキス症が引き起こされます。
人間の体内ではアニサキスは成虫になることは無いため、卵によって増殖する心配はありません。
大きさは数センチで、白く細い長い体をしています。
アニサキス症・症状
生魚の食後に急激な腹痛と吐き気、嘔吐が引き起こされます。痛みというのはかなり強烈なもので、麻薬(おそらくはモルヒネ)を打っても効かないと言われる程ですがアニサキス本体を取り除くとすっかり痛みが収まります。
胃の場合は比較的簡単な処置で済むのですが、腸に移動されてしまった場合は一週間ほど痛みに悩まされることになります。
大体症状から急性の腸炎、虫垂炎などと誤診されやすいです。
しかし、この寄生に気が付かずに慢性的な状態が続くと、腸壁に肉芽腫が形成されてしまい、胃癌や胃潰瘍、腸閉塞と診断されて腸を切除されてしまうこともある。
青魚で蕁麻疹(じんましん)が発生したという人もよく居ますが、実際には摂取した時とは限らず、疲労感や体調が悪い時などと記憶されていて必ずしも反応しているわけでもないために曖昧なアレルギー扱いをされていたようです。
そしてあるアニサキス患者がしめ鯖を食べて劇症性反応であるアナフィラキシー反応を起こし、検査した結果で鯖ではなくアニサキスに対するアレルギーであることが証明されたという症例があります。
麻薬を以てしても痛みを止められないという程の痛みであることから、気絶した方がよほど幸せな度合いであることが窺われますね…。
アニサキスが体内にいても症状が出たり、出なかったりというのがアニサキス症の怖い部分だと思います。
アニサキス症の治療薬
急性の場合はステロイド剤を用い、慢性の場合は抗アレルギー、抗ロイコトリエン薬、抗ヒスタミン薬が使われますが、本体を取り出す事が一番の治療法です。アニサキス症の感染経路と予防

先に上がっているように鯖、アジといった青魚、そしてタラにも感染し、それらを食べたイルカやクジラの内臓に寄生します。
ちなみにイカにも寄生しますが、イカ刺しを食べる際に、蛍光灯などで透かしてみると中に居る時はひと目で分かります。
そういったイカは生で食べずに加熱しましょう。
他の魚も出来れば焼き魚などしっかり熱をと押して食べるのが望ましいです。
タラの内臓などはかなり顕著ですから、内臓を引っ張りだしてうわっ!ということが珍しくありません。
こんな怖い症状に見舞われたくなければ、鍋物などでしっかり煮込む、徹底して焼いて熱を通す事を徹底しましょう。
アニサキスアレルギーの検査依頼
まず、生きた状態で寄生されないのが第一で、それで蕁麻疹が出るなど体調が悪くなった場合は皮膚科でアニサキスアレルギーの検査を依頼しましょう。基本の項目に加えて、疑っている物を伝えればそれで検査をしてもらえます。
僅かな採血で済みますし、思いもかけないものに反応が出るかもしれませんから、一度チェックしてみるといいでしょう。